前の記事からの続きです。
■笑気ガスお試し
笑気ガスの治療を試すことを目的に通いだした歯科医院の2回目の受診は、初診の週の土曜日。
なんと、薬を飲まずに行くことができた。
それだけあの先生の第一印象がよかったのだと思う。
なんと口を開けて見せるところまでできて、
しかも先生はちゃんと恐怖を受け止めて、
「できるところまででいいよ」「がんばったね」と
言ってくれた。
次回で笑気ガスを試すことに。
3回目は3週間後の8月初め。
前日から受診のことが気になって情緒不安定ではあったが、予定通り受診。
初めて笑気ガスをほんの少しだけ試してみた。
体質的に効かない人もいるとのことだったが、B子には効いた様子。
希望が見えてきたかに思われたが・・・。
約2週間後にまた受診。
この日は朝服薬して行った。
力が入らずふらふらするのは以前と同じ。
事前に私は「もし笑気ガスが効けば治療もいけるんじゃない?」などと言ってみたが、
本人は「笑気ガスを試すだけで、治療はしない」
「できそうなら歯磨きだけしてもらう。
するとしても(歯がかけていない)右だけ」と宣言していた。
私も強制しても無駄どころか遠回りになることはよくわかっているので、本人の反応を引き出すために言ってみただけ。
納得すればやろうかなと決めてくれることもあるから、言ってみる価値はあるのだ。
さて、当日、笑気ガスを再度試してみたところ、
緊張がほどけるせいなのか、マシンガントークを展開したB子さん。
あの歯医者さんでガリガリされたのがとても痛かったからあれ以来怖くてたまらない、など、覚えていることや心配なことをずっと語っていた。
歯磨きは、先生にしてもらうのではなく、自分でした。
■全身麻酔の治療へ
これを受けて先生からは、診察後に以下のお話があった。
本来とても明るいのに心に歯のことがひっかかっている状態で、記憶力がよいし、一つのことから色々考えて心配が広がるので、治療を少しずつ続けていくには心の負担が重すぎる。
経験上、この子はどこまでどうやって進められそうかということがわかるが、B子は全身麻酔でいったんすべてきれいにするのが向いているかもしれない。
笑気ガスは気分が悪くなったり効かない人もいるが、その点は問題なく、合ってはいる。
全身麻酔の治療でよいということであれば大病院へ紹介状を書くが、予約が2か月くらい先しか取れなかったりするので、痛みのない今のうちに早めに動きましょう。
当初から、全身麻酔の治療も視野に入れつつ、
笑気ガスでなんとかなるならと望みをかけていたのだったが、先生の判断は、やはり全身麻酔の治療をお勧めしますということだった。
B子もそれで納得。
これまで歯科医の話すらできない期間が長くあったのに、7月と8月で2回ずつ受診ができたことは快挙だった。
全身麻酔の治療はなるべく避けたくて、やれることはすべてやったけれどやっぱりそれしかないのだという結論に親子でたどり着き、そこに至る紹介状もやっと入手できた。
■心理検査の希望
翌日には思春期外来にて、歯科通院のための薬を追加で処方してもらった。
この頃、中学校のケース会議などで、心理検査をしてみてはどうかとの話も出ており、私も同感だったし、本人がE太の心理検査の話を聞いていて、HSPの自覚もあって「受けてみたい」と希望していたので、それも伝えた。
■耳の痛み
さて、実はこの頃、B子はよく右耳が痛いと言っていた。
原因はよくわからず、台風など気圧の変化があるときにとくにひどい。
小児科に相談してみると、アレルギー性鼻炎があるので、鼓膜内外の気圧が一定でないことによるかもしれないとのこと。
その小児科の先生のお勧めの耳鼻科に、思春期外来に行った帰りに寄ってみた。
初めての病院となると非常に警戒するB子。
そして耳や鼻に何の説明もなく器具を入れられたり吹き付けられたりするのも大嫌い。
診察室に入るときも私のそばから離れない。
そのため、心理検査はまだだったけれど、
「発達障害の可能性があるんです」と診察室の入口で告げたところ、
看護師さんや医師が、ぱっと理解し、前のめりな雰囲気を出さずに
「嫌なことはしないからね」と適切な声掛けで対応してくださったのには感動した。魔法のことばかと思った。
いや、魔法のことばだとしても通じない病院もあると思う(実際以前に2軒耳鼻科に行ったがだいぶクセが強かった)が、
そこはさすがに遠方からも患者を集めるわがかかりつけの小児科の先生が教えてくださっただけあって、デキる感じなのであった。
肝心の診察結果は、やはりはっきりした原因はわからず、もしかしてアレルギーの影響かもしれないので点鼻薬使ってみて、ということであった。
とにかく、耳に大きな異常があればしっかり治療しなければと思っていたのだが、それはなさそうということはわかってよかった。
当時は学校のことでも色々あったから、精神的な要素もあるのではと思って思春期外来でも訊いてみたが、明確な答は得られなかった。
もしかしたら歯の痛みが耳の痛みと感じられているのではと考えてもみたが、
欠けた歯は左側、耳が痛いのは右だし、違うのかな?
それともまた別の虫歯があるのか、などと、これは口が裂けても本人には言えないが、そんな可能性も考えていた。
だとすれば歯の治療をすれば落ち着くのかもしれない。
痛みがひどいときは一晩中すすり泣いていたりするので、私も必死だった。
当時習っていた整体の講座で質問してヒントを探ってみたり、
友人に話してアロマを勧められたり。
■当時のその他の状況
E太の方は休学していたところから復学か転校かと検討し始めていたので
その関係での手続きを調べたり書類を取りに行ったりしていたし、
B子のことで中学校とのやり取りもあれやこれやとあった。
私自身は4月にフルタイムの仕事を辞めて6月から短時間の仕事に就いたばかり。
ただでさえ暑いのが苦手で体がきつい夏だが、その夏は本当に、めまぐるしかった。
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