前の記事からの続きです。
■通常の治療と最終手段の間にはどんな選択肢があるのか
歯医者が苦手な人はどうやって治療しているのか。
通常の治療と全身麻酔という最終手段の間に、
どんな選択肢があるのか知りたかった。
なんでも相談させてもらっている小児科でも先生に訊いてみるが、
この件に関してはあまり有効なお話は聞けなかった。
リアルな知り合いにそこまで極端な歯科恐怖症の人はいない。
あるいは、身の回りに歯科恐怖症の人がいるという話も出てこない。
東京や大阪などの大都会なら色々なニーズに対しての選択肢もあるようだが、
我が家から行ける地方都市に、受け入れてくれる歯科医院があるのだろうか。
いくらホームページでいいことが書いてあっても、実際に行ってみてどうなのかはわからないし・・・などともやもやしながら
ネットで検索しているうちに、歯医者が苦手な人たちのための
「笑気ガス」というものがあることを知った。
そういえばそういうものの存在を聞いたことくらいはあったかもしれないが、
自分と関係あるものとは思っていなかった。
■予約にこぎつけるまで
歯が欠けてからもう数か月経っており、B子の不安も相当なものとなっている。
小6の11月に思春期外来で不安を抑える薬を処方してもらった。
その後「じゃあ、歯医者に予約を入れてみよう」と持ち掛けても、
その話をすること自体がものすごいストレスになるようで、青い顔。
これだと予約を入れたことで当日までずっとストレスを抱えることになって
日常生活にも不穏な影響が出る。
いつもなら怒らないところでも怒りが爆発してしまうとか。
それを受け止めるのは私なので、なかなか厳しい。
そして前日や当日にやっぱり行けないとなって予約をキャンセルする事態になる。
これも、予約するのもキャンセル連絡するのも当然私なので、ストレス。
12月にもう一度思春期外来を受診した際に先生に相談すると、
「前回は、受診する日の朝に薬を飲んでくださいと言いましたが、
前日の夜一回と、当日の朝飲んでから行くというのでやってみてください」
とのこと。
この先生、若い男性で、はかなげな感じがするのだけど、
だからこそ、ぐらぐらと不安な人のこともわかるのかもな、などと思わせられる。
こちらの受診は当面歯医者問題解決が目的なので、毎月受診するわけでもなく、
進展があって相談したいことがあるとか、薬が足りないということがあれば受診してくださいという感じ。
その後も、E太の学校関係の対応と休学、B子は年末年始のイベントやバレンタイン事件、卒業までの諸々、中学入学で切り替えて毎日登校からの不登校など盛りだくさんの日々は続き、いよいよやっとこ笑気ガスを扱う歯科医院を受診できたのは、B子中1の7月であった。
■受付
電話でこれまでの経緯を説明し、できれば女医さんで、とお願いして対応OKと言ってくださった医院へ。
7月前半の月曜日。私は仕事の休みを取った。
思春期外来の先生の指示通り、就寝前と起床後に薬を飲んで行った。
薬は効きすぎるくらいで、力が入らない、と着替えるのも一苦労、
家から2分程度の駐車場まで歩く間は私が支えないといけないほど。
ちょっと怖い気もするが、さすがにいつもの抵抗はなく、
車に乗ったら寝入ってしまった。
B子を車に残し、私だけ入った医院の受付で、問診票に細かい字で、電話で説明したのと同様の経緯を書き込む。
しつこいと思われるかもしれないが、こちらも必死。数年がかりでやっと受付にたどり着いたのに、ここで失敗したらまた一からやり直しなので。
これまで10軒以上の歯医者に行ったこと。
納得すれば前に進めるが、説明なしに無理やり押さえつけるなどは絶対に避けてほしいことなど。
今日は顔合わせ程度で構わないので、と伝える。
車に戻り、「ここまで来たんだから、どんな先生か、大丈夫そうかどうか、顔を確認しよう、今後来ないならまた別のところを探すし、見ないとまた来ないといけなくなるから」と一生懸命説得し、気の進まないB子をなんとか受付へ連れていく。
■先生の印象と快挙
受付で長時間待たされたらたまらないなと不安に思っていたが、すぐに先生が出てきてくださった。
若くて笑顔が素敵な、やわらかい話し方の先生。
受付でお話して、ほんとに顔だけ見た、という程度で失礼する。
が、B子としては第一印象は大丈夫そうと思ったようで、
次の予約をその週の土曜日に取ることに同意した。
「次」の話ができるということ自体が快挙。
少しだけお話をした限りでは、先生が、事情をよく理解してくださっている感触は私も持てた。
ほっとした。
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