前の記事からの続きです。
■歯医者チャレンジ小休止のあいだに
さて・・・、歯医者。
小5の秋くらいから行けなくなって、B子のフリースクールや教育支援センター通い、E太の受験、卒業、進学、不登校、受診などの対応を経て、祝日休みなし、年末年始も基本出勤で分量が半端ないハードな仕事にもだいぶ慣れてきたところで、考えた。
ずっと心配してきているのだが、もう去年の夏に行っていた歯医者にも行けなくなってしまい、本人も不安には思いながらどうにもしようがなくて困っているのだ。
自分の治療済みの歯がうずいているような感じがして、職場から近い歯科医院で私自身が受診したことがあった。そのときも、「B子のことが片付いてないのに自分だけ先に治療してもらっていいんだろうか」という罪悪感のようなものを感じていたり。
その医院では、とくに虫歯とか、治療済みの歯が悪くなっているようなことはありません、といわれ、ああ、疲労とかストレスですかねえ、ということでおしまい。
そこの先生にも事情を説明して、娘を連れてきてもいいですか、と相談してみたが、難しそうなので、と断られてしまった。
■大学病院への相談
そのうちに思い立って、仕事の合間に、それまで気になりながらも連絡したことはなかった大学病院に電話してみた。
歯医者が苦手な子の中には全身麻酔で治療を受ける子もいる、と聞いていたが、
最初は「まさかうちの子が」だった。これに関しては。
たいていのことには「まさか」と思うことはあまりない私なのだが。
つまりたいていのことは自分の身にも起こりうること、と思っているのだが。
しかし、さすがにこの頃には、ここまでの経緯を考えるに、全身麻酔しか、ないのかも、と思い始めていた。
全身麻酔で治療するとすれば、以前に受診して竹やぶ事件が起きたところと、大学病院くらいしかないのだ、と聞いていた。
竹やぶ事件のところはもう可能性がつぶれたので、頼りは大学病院しかなかった。
受診のためには紹介状が必要で、となればまたもう一回歯医者に行かなければならないが、それひとつとってもハードルが高すぎる。
とりあえずすぐに受診は無理でも、情報だけでも得ておこう。
今の私にできることはそれ。
何もしないでただ心配しているよりはまし。
と考えて、藁にもすがる思いで電話した。
電話口で、娘が歯医者がとことん苦手なこと、何軒も試したことなど説明すると、意外なことに歯科医の先生に繋いでくださった。
お忙しいだろうに、穏やかに丁寧に応対してくださった。
そこで、全身麻酔するなら、かかりつけ医に手術計画を作成してもらって、できる限りのことをいっぺんにするように進めていく、などの一般的な説明を伺う。
その、「かかりつけ医に通う」ということが、そもそもできないのですが、と説明すると、もしかしたら、精神科的なアプローチが必要なのかもしれないですね、と。
そう!やっぱりそう思われますか?
私も、それしかないんじゃないかな、と考えていた。
もう、どう考えても「歯医者から」のやり方だと八方ふさがりだった。
遠回りに見えても、まずは不安を軽減する薬なり、カウンセリングなり、そっちからしかないんじゃなかろうか、と。
■妄想
ほんとに、信じられなかった。
こういう人は、他にはいないんですか?と訊きたかった。
まさか世界にひとりだけってわけでもないだろうし、歯医者を非常に怖がる人への手立てというのは、少し調べたら見つかるような程度に整備されているのではないかと期待していたのだったが、検索してもそれらしいものが出てこない。
世の中にはこんなにたくさん歯医者さんがいるのに、
うちの子と私はこんなに困っているのに、なんの手立てもないなんて?
はてなだらけだった。
思いつく限り、周囲に話して話して話しまくっても、よさそうな情報が入ってこない。
なんなら、マンガみたいにみぞおちにパンチでもして気絶させて歯医者さんに差し出したかった。
それが一番簡単そう、と妄想した。
もちろん現実には歯医者さんは絶対承諾しないだろうけれども・・・。
■B子の思春期外来受診
そうして大学病院の先生に背中を押してもらえたこともあり、
B子にも思春期外来を受診させてみることにした。
E太の思春期外来は、受診予約を9月初めにして、10月が初診。
B子についても候補の病院2軒に予約したくて電話するが、県内に思春期外来自体が少ないうえ、初診の枠も非常に少ない。
指定された予約開始日の午前中に電話しても、次の2か月は予約が埋まっていますといわれた電話口で、困り切って相談する。
個人のクリニックだとどこが信頼できるかもよくわからなくて、と。
この病院の電話対応は素敵だった。
そんなにすぐに予約が埋まるほどだから、きっと非常にお忙しいはずと想像するが、穏やかに、親身に聴いてくださる男性。
それで、いくつか小規模のクリニックを紹介していただけて、意外と早めに予約が取れた。
それが、確か、B子小6の、11月。
歯医者に行けないことを説明し、できれば不安を軽減するようなお薬をお願いしますとお伝えし、処方してもらうことができた。
私はもともと、薬はなるべくなら飲まない方がいいと思っている。
精神科ならなおさら。
でもちょっと、もう他には何も思いつかなかったから。
■新しい情報と道筋案
それから、職場でこの話をしていたら、県内の難しい症例を扱う大きい私立病院の存在を教えてくれた人がいた。
そしてまた、ネットで検索をしているうちに、笑気ガスというのも知った。
それで、笑気ガスを扱っているところをかかりつけ医とすることにして、笑気ガスを使った治療を試しつつ、それがだめならいよいよ全身麻酔ができるところに紹介状書いてもらうのがいいのでは、と考えた。
B子にも、笑気ガスというきっかけを提示できれば、「やってみない?」という話もしやすいと思った。
次に行く歯医者をどう選んだらいいのかももうわからなかったところだった。
仕事が内容的に休みにくく、帰りも遅いので、遅い時間に診療している、とか、日曜日にやっているところ、とかも通いやすいかもと思って調べていたのだけれど、あんまりぴんとくるところがなかった。
「笑気ガス」というフィルターはいい考えのように思えた。
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