フリースクールへ

不登校

■B子の警戒心

小5の運動会の後くらいから、B子は私の母(B子の祖母)が見つけてきたフリースクールに通うようになった。

当時はものすごい警戒心が強くなっていて。
・・・なっていて、というと語弊がある。
小さい頃からずっとそういう面はあった。
保育園でも1、2歳の頃から担任じゃない園長先生がヘルプで
保育に入られるときとか、慣れている先生の足元から、
じっと目力で牽制していた。
その後もそれがゆるむことはあまりなくて、初めての環境では私の陰で様子を見たり私を通してじゃないと関わらなかったり、そういったことが多かった。
私がいないところでは何食わぬ顔でやり通すけど、
あれはすごい心の負担と引き換えなのかも。
慣れた場所では楽しく過ごせるのだけど。

■フリースクール体験

とくにその頃は、傷つくことが多くて、
警戒することで自分を守っていたんだと思う。
フリースクールに行くかどうか様子を見よう、と初めて行ったときは、
車から降りなかった。
担当の方が、B子が猫が好きと知って、「ここにも猫がいついてるんだよ」と声を掛けてくださり、それでやっと降りてきた。
対応してくださったのが若い女性で、やさしくて、自分も生きづらさを抱えていたのでこのお仕事してますというようなお話してくださった。
ソフトにソフトに接して、大事にしてくれそうだとわかってきたので
B子も心の扉を少し開けて、その日スクールに来ていた子にまじって
体験をさせてもらった。

■決断

そうして、安心できる場所のようだとB子本人が見極めてからは早い。
迷うことはない、すぐ決まる。
私は彼女の決断の速さにもいつも舌を巻く。
判断材料がないうちは決められない、
判断材料が得られればすぐ決断。
全然ブレない。
だからこそ、見もしないうちに「行ってみようかな」とは絶対に言わない。

■通い方

通うといっても週一回の開催。
うちは山奥の過疎地で、そのフリースクールは都市部にほど近い(それでも)山の中。
私は仕事があって方向もまったく違っていたので、
私の母が送迎の手伝いを買って出てくれた。
といっても全行程往復すると2時間弱かかってしまうので、うち(私の母の家も我が家の近所)から30分ほどの、バスの本数が比較的多いバス停まで送り、
そこからB子ひとりでバスに乗って行くことになった。

都市部と違って公共交通機関を利用する機会があまりないので、
ひとりでバスに乗るなどB子は初めて。
最初、祖母も一緒に乗って練習した。
私が現金でバス代を渡していたが、料金表が距離によって変わっていくのを見て
大人の半額となる子ども料金を確認するというのが緊張して難しいというので
カードを祖母が買い与えてくれた。
携帯も持たせた。
E太は小学生の頃にひとりで行動ということはなかったし、
中学生の間も携帯を持たせていなかった(当時、中3)。
一応、兄妹のどちらも必要なときに使うための携帯ね、ということで。

■通い始めて

ひとりで携帯持ってバスに乗る、というのは、大冒険だが、
本人がやると言うならできるだろうという確信を持てる。
学校に行けていなくても、ほかのみんなが尻込みするようなことをしているというのは、自信につながるだろうという期待もあった。
「学校には行っていないけどフリースクールに行っている」
のは、これまでただ家にこもっていたことよりも
B子自身にとって誇らしいことと感じられていたと思う。
行けば、自分以外にも学校に行っていない子たちがいて、少人数で、
穏やかな若い女性の(B子は男性に対する警戒心の方が強い)先生がいて、
まず一日の予定を立て、お昼に何を作るか決め、次におやつを作ったら大体帰る時間。
合間に先生も含めて遊んで、携帯に楽しいシーンを録画したりして帰ってくる。
安心して心を許していい場所。
そしてご飯やおやつを作るのは好きなので、B子にはとても向いていた。
週1回でも、安心して過ごせるところに出かけていくというのはとてもよかった。
B子が気に入って楽しんでいたので、私もうれしかった。
私の母もB子がずっと家にいるのを心配していたので、ほっとしたと思う。

<自宅で、古い靴下を使ってぬいぐるみの服づくり>

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