前の記事からの続きです。
■歯医者探しの方針
歯医者の予約当日に出発しようとしても車に乗らなくなってしまったB子。
歯医者は敵じゃないよね、わかるよね、と説得してみたり、
じゃあ何を怖いと思っているんだろう?と一緒に見つめようと促してみたり、
私も思いつく限りはやってみたけれどもどうにもならない。
切り札と思った治療センターも散々だった。
あれではあそこにB子がもう一度行こうと思うはずがない。
私には無理。お手上げ。絶対連れていけない。
もちろん、私に無理なら誰にも無理。
本人も、治療してもらわなければならないことはわかっている。
じゃあ、と、再度確認。
どういう歯医者さんなら行けるかなあ?
「・・・女の先生がいい。」
それから、仰向けに寝かされて、何されるかわかんないのも怖いんだよね?
椅子を倒さないで診てくれるところならいいかもね。
などと確認し、情報収集。
■新しい歯医者さんへ
知り合いに訊きまくって、とうとう、意外に近所に女医さんの歯科医院があることを知る。
我が家から30分ほどのところ。
そこなら通える、と思った。
電話で相談したら、連れて来てみてください、と。
予約は不要だという。
仕事を少し早退して、夕方の診療時間の終わり頃に連れて行った。
B子はもちろん渋るが、「どんな先生か確認するだけ」ということでやっとのことで。
医院に着いても、車から降りない。
やっと降りてもドアから入らない。
やっと入っても靴を脱いでスリッパを履くのも渋々。
受付は2階だが、そこまで行けない。
私が先に行って事情を説明し、B子のところに戻って「上がろう」と促していると、
ポケモンのTシャツ姿のふくよかな先生がやってきて「今日はほんとに何もしないよ」とおっしゃり、
ポケモン好きなの?へえ、描けるんだ。今度持ってきてよ、などと関係ない話でほぐしてくださる。
ね、ほんとに、B子ちゃんができるようにしかしないから、また来てね。と。
まどろっこしいところをすっ飛ばさずに
ちゃんと自分に向き合ってくれる人なのかどうか、B子は見きわめる。
「あの先生なら行けるかも」と、帰りの車で彼女はそう言い、
それでやっと、お試しに通えることになった。
そして、B子はその日のうちに、
先生に次回プレゼントするポケモンの絵を描き上げたのだった。
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