不登校となってからの夏休みの過ごし方についての提案

不登校

前の記事からの続きです(ブログでの記事掲載日は前後しますが、時系列になるようにリンクを貼っていきます)。

夏休みの過ごし方についての提案

夏休みに入る直前に不登校となり、
担任の先生は高校でここまでしてくださるのかというほど
家庭訪問や電話連絡を頻繁に行い、
私の状況説明や愚痴を聴いてくださり、
なるべく本人とも話そうと努力してくださった。

部活には入っていたが、幽霊部員となっていた。
ちなみにこの高校は、全員何かに入部しなければならない。
進学や就職の際にも部活の活躍は有利になるから、などと
入学のときに説明されてがっくり萎えたものだった
(私の考えでは部活は「進路に有利だから」するものではない)。
どの部に移るか決めないと退部もできない。
私としてはその決まり自体に疑問を持っていたし、
E太も釈然としない気持ちだったようだ。

部活に行かないなら夏休みは丸々休み・・・。
それで遠慮なくゲーム三昧の日々を送られても困ると思った私は、
色々と提案をしてみた。
大体、部活三昧だった中学時代は旅行やレジャーなどで出かけることはほぼできなかったのだから、せっかく休みなら休みらしいことをすればよいではないか(ま、本人はゲーム三昧したいのだが)。
(1)原付バイクの免許を取って旅に出る
(2)バイトをする
(3)外国で開催される若者向けプログラムに参加する
(4)バスや電車で国内ひとり旅
(5)小中学生キャンプの手伝い
(6)ウーファーとして働く

免許とバイトについての高校とのやりとりなど

(1)と(2)は、正式には学校の許可が必要。
(1)について確認したところ、学校からは
「学校が免許取得を許可するのは通学のためで、
学校に来ていないE太くんが免許を取るのは認められない」との回答があり、
私にとっては思いもかけない話だったのでだいぶ勢い込んで心外である旨伝えた。
だって、7月の途中からほんの2週間(だったかな)行っていないというだけで、
2学期から行けるようにしたいと考えているのに?

夏休みが始まる前に説明会が終わっていたのは私も知っていて、
その後で相談したからこちらもダメモトのつもりであったのだが、
「あー・・・、説明会が終わってるので厳しいですね」ならまだしも、
「通学のためだから不登校の子はだめです」というのは今考えても謎対応だったと思う。
一度不登校に陥ったらもう救いはないということ?
あきらめ、早くない?

そもそもからいえば、免許取得について学校が許可するしないというのもおかしな話だと思う。
それに、ここは過疎地で、車社会で、
子どもたちが自由に移動できるほど交通網が張り巡らされていない。
これは本当に地域存続にも致命的な問題なのだが、
親と子の行動の分離が難しいという事情がある。
で、それをよくよくご存知の上で、
子どもがスマホ依存に陥って、なんとか外に出てほしいと考えている親に対する、
それが高校の答ですか?
と伝えたところ、
若い担任の先生は事情をわかっておいでなので、再度学校に確認してくださり、
本来なら希望者は学校で免許取得の説明会を受けてから
担当の先生方を回って印鑑をもらってから取得するという
(私から見れば謎の風習的な)決まりがあるが、
E太くんの事情を鑑みて、特別にその説明会の場を設けてもよいとの回答をいただいた。

「ありがたい」と思わねばならない話なのかもしれないが。
しかし、こちらの事情としては、
これは単なる私からのE太への提案として「免許取ってみたら?」というのが
ありうるのかどうかの確認であって。
E太が免許取得を熱望しているわけでもなく、
提案する前の確認と思って学校に連絡してみたところ、
ひとつの項目でこんなに消耗するのであった。
そしてもちろん、学校がつまらないということで学校に行けていない子が、
説明会のみならず先生方をひとりひとり訪ねて書類に押印してもらう、とか、
めちゃくちゃハードルが高くて全然無理。
さらにもちろん、山道を原付バイクが走るのは
快適ではなさそうだとわかっているE太の触手は動かず。
実際、トラックに幅寄せされたとか、
田んぼに落ちたとか、
雨でうつむき加減で運転していて路肩に停めてあった車にぶつかったとか、
恐ろしい話をたくさん聞いているので私も無理に勧める気はない。
私が運転していてもトンネルやカーブの多い道を走る原付バイクは怖い、と思う。

(2)のバイトについては、もともとこの高校では長期休みのときしかバイトは許可されない。
これも説明会に出て許可をもらう話だったが、
知り合いに頼んで農業バイトとかなら先生のチェックも入りようがないので
やればいいんじゃない、などと勧めてみた。
とにかく私はE太に家から出てゲームから離れる時間を持ってほしかったので。
収穫した分だけ対価が支払われるバイトに一度だけ行ったが、
気力に伴って体力も落ちていて、元々暑さに弱いこともあり、
気が進まなかったようで、それで終わってしまった。
あんまり明るくハイテンションにするほうではないが不思議と小さい子には好かれるので、
子守のバイトもした。それは喜ばれてはいたが、機会自体が少なく、二度くらいだったか。
やはりそうやって出て行ったときには表情も柔らかくなり、
ほめられればうれしそうにもしているのでこちらもほっとした。

その他の提案への反応

(3)外国へ行くことも提案してみたが、まったく興味がない様子。
私が行きたいと思うようなおもしろそうなプログラムが色々あるんだなあ。
しかしE太は、いきなりひとりで外国ってハードル高くない?と。
ゲームがストレスなくできる環境でなければどこへも行きたくない、ということかな。
それにたぶん、モチベーションがさほどでもないのに見知らぬところであれこれ判断を迫られるのとか、「めんどくさい」ってことだろう。

(4)では、バスや電車で国内ひとり旅はどう?と勧めてみるも、
基本的には(3)同様、自宅のようにWi-Fiが常にない環境ではゲームができない、と心配していたのだろうと思う。
本人曰く、(3)よりは行けるかもしれないとは言った。

(5)小中学生キャンプの手伝いはどう?とチラシを見せてみたが「ふーん」で終わり。

ひとりで遠出

(6)そんなこんなで、隣の県で知人がゲストハウスをしていてウーファー(働く代わりに宿泊場所と食事を提供してもらう仕組み)の受け入れをしているのを知っていたので、それに行って来なさい、と半ば強引に送り出した。
受け入れは基本的には2週間以上とのことだったが、E太は本当はまったく行きたくない。
が、それを許す母ではないということもわかっていた。
私は私で、お互いぴりぴりしたりいらいらしたりしているよりも、しばらく離れていつもと違う景色を見るのがいいんじゃないかと感じていたこともあり、1ヶ月くらい行ってきて、と伝えたが、E太は「一週間以上は嫌だ」と言い、そこは譲らない。
具体的に確認すると「この日は(ゲーム仲間の)友だちと約束があるから家にいないといけない」などの事情があって、結局5日間、とにもかくにもひとりでバスに乗り、ほぼ見知らぬところで、多国籍の人たちと若干の交流(ゲームの中の中国語のセリフの意味を教えてもらった、とか)をしつつ、働いて、帰ってきた。
人がいっぱいいる観光地で、歩いて行けるところにコンビニのある街の生活(夜立ち読みをするとか)を楽しんだらしい。

さてその帰りにまた伝説を作ってくれたE太氏。
長距離バスで空港まで帰ってくるのを私が迎えにいく手はずだったのに、
私が慌てて職場を出て空港に到着してからLINEを確認すると、
なんと。
お腹が痛くなってトイレに行くために途中下車し、
空港からは1時間以上離れた停留所にいるという。
バスに乗ったというLINEは確認していたから安心しきっていたのに、
そうくるか・・・
(あとで聞けば、「いざというとき」のための余分なお金は乗車前に使い切っていた)。
心細いかしらなどと心配しながら車を飛ばして到着すると、
日も暮れて他に誰もいない施設のベンチに腰掛け、いつもの友人とチャットしながらゲームをしていて、
スマホから顔を上げもせず、御礼もいたわりもなく、
まったく当然のように車に乗り込む。
私から何か言ったんだろうけれど、よく覚えていない。
もちろん、内心は無事でいてくれてほっとしているけれども、その気持ちを向けたい相手には受け止める素振りがないのがなんとも。
記憶として残っている感覚は、あきらめの境地。
呆れ、悲しい、疲れた。
ま、ま、ひとりで遠出なんてしたことないんだし、
決まりの悪さとか(あんまりなさそうと思うけど)、照れもあるのかも、しれないし。
まあとにかく、渋々ながら行った先では割合がんばっていたようなので、よしとする。

腹痛はおそらく、夏の日中に出発だったバス停までで相当汗をかいていて、
バスの冷房で冷えたのだと思われる。
迎えに行ったときにはけろっとしていた。

この体験で、働いてもお金をもらえないウーファーよりもバイトをするのがいい、と感じたらしい。
体験から導き出される自分なりの結論。
いいんじゃない。

この続きは以下の記事をご覧ください(ブログでの記事掲載日は前後しますが、時系列になるようにリンクを貼っていきます)。

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